2013年12月10日火曜日

写真の指導

私は写真の講師や審査は決して多い方ではないが、それでも年に1回か2回はコンテストなどの審査員をしている。

講師としてはデジタル専門のクラブをしばらくの間、隔月でまかされているが、会員数が多いと、一人あたり、あるいは一点あたりの写真に時間がかけられない。事実、一人平均7〜10点で参加者が10人いると70点〜100点にもなるわけだ。審査会ではないので、できればもっと絞って評価し、撮影者と共に考えながら評価したいところだ。極端な話し一人一点でもいいのかもしれない。一つ一つじっくりと写真に向き合い、撮影者と対話しながら考えてゆくことが、遠回りだけれどいい写真につながるのではないかと思う。

写真を提出してもらう時の心構えとしては、自分にとって何故この写真でなければいけないのか、自分がこの写真を撮影する意味があるのか、という問いかけをする必要があるのではないかと思う。

写真は自動的に撮れるものではない。自我をもった人間が撮る。自己を確認する作業が、撮影という行為の中に含まれていないと写真は撮れないのではないかと思う。難しいようだけれど、繰り返し撮影をしているうちに心の内に何かが芽生えてくる。その芽生えてきた何かを、次の撮影の時に検証するという繰り返しのなかに自分にとっての写真との関係が見えてくる。正解はない。程度の問題でもない。その人と写真との蜜月の内にしかない何か、が大事なのだ。