新潟県中越沖地震での被災者救助の様子 |
私自身、1995年の阪神淡路大震災の被災地を見て回った後に、都市がいかに地震や大災害に弱いかということを痛感した。今回の地震で被災したCTVビルの崩壊の様子を見ると、阪神ではこういった壊れ方は少なかったのではないかと思うが、例えば東京で直下型の地震が起こると、予想もしなかったような様々な壊れ方をする建築物が沢山ありそうな気がする。
都市ではないが、2004年10月23日の新潟県中越地震では、ずれた断層の付近で車が飛び上がって少し離れた場所に移動しているところを見たし、雪に強い骨太の住宅でも、完全に倒壊している家屋も沢山見た。これが今年のような積雪の多い冬に起きていたら、もっともっと倒壊家屋は増えていたはずである。日本は耐震化は進んでいるとは言っても、まだまだ、直下型地震に対応できる住宅や公共の建物などは少ないのではないか?と思う。
神戸の場合は直下型ではなく、岩盤の上に乗った柔らかい地層のせいで、六甲の山並みに反射して戻ってきた大きな横揺れのせいでいっそう被害が拡大したらしい。神戸のある旧商店街のような古い町並みで、ほぼすべての建物が道路中心に向けて倒壊している場所を見た。言葉は適切ではないが壮観な光景であった。どうしてこんなことが起きるのかと、疑問に思ったが、比較的六甲に近い場所だったからこんな倒れ方になったのかもしれないと、後で専門家の説明をテレビで見て少し納得したが、いずれにしても場所によって、建物によって壊れ方が違うのが人知の及ばないところである。
新潟県中越沖地震で一階がつぶれた家 |