先日(11月9日)、初めて読売新聞・YPCの新聞掲載用の審査と講評、その後の写真講師を依頼されて読売新聞社新潟支局で半日おつきあいさせていただいた。
約60人の会員の半数強が参加するなかでの公開審査だ。講師の方々のマンネリ化が指摘され、たまに違う人に任せてみようと言うことで、他のコンテストの関係者お一人の推薦で私に声がかかった。
作品はイベント系が多い傾向は他でも同じだが、身の回りなどの日常の生活の一コマを撮影した作品に好感を持てるものが多かった。上位作品は結局イベント時の作品が多くなってしまったが、イベントそのものではなく、人間の表情や内面などを捉えた作品となっていたのではないかと思う。
日常を表現するのは、物を見る力や日頃の問題意識などが問われるわけだが、沢山の作品が集まってくる中で、我々が見たいのは作者の事情の中でのオリジナルな見方を見たいわけで、けっして、旅写真やイベントの盛り上がり写真をみたいのではない。卑近な素材でいいので勇気を持って自分を表現できる素材にチャレンジしてもらいたいと考えている。
写真が楽しいという段階を過ぎて、カメラが自分の内面を映す鏡のような道具になり果てるのがいいのではないかと思う。
最後の写真講習では、技術的なことはさておいて、阪神大震災・中越地震・中越沖地震などで撮影した写真をお見せしながら、「伝える」ということに絞ってお話しさせていただいた。記録し伝えるということが、写真の最も大切な機能の一つであるわけだが、災害の現場にて、被災者が他の人に対してのメッセージを、どう行ったかということ等をお話しした。このテーマは大事なテーマなので、今後も資料を作り、取り組んでいきたいと思う。